子供の戸籍上の名前を変更されたいと思われたことはありますでしょうか。
戸籍上の名前は「家庭裁判所の許可」を得て「役所へ届出」すれば変更できます。
それでは名前は簡単に変えれるのでしょうか?
また子供が戸籍上の名前を変更する場合、大人の手続きとは何が違ってくるのでしょうか?
この記事は「子供の名前を変更する方法を年齢ごとに分けて解説」していきます。
※次のような記事もございます。該当される方はご参考下さい。
「キラキラネームや読みにくい名前を改名するには?」
「赤ちゃんの名前を変更するには?」
「いじめを理由に名前を変更するには?」
「名前の読み方を変更するには?」
目次
戸籍の名前を改名するには?
まず、結婚や離婚などの理由以外で戸籍の名前を変更するには家庭裁判所での手続きが必要となります。
※家庭裁判所での詳しい改名手続き(費用・書類・期間・流れなど)の内容を知りたい方は「【完全版】苗字・名前の改名手続きの流れ」もご参考下さい。
そして、家庭裁判所から名前の変更を認めてもらうには「正当な理由」が必要となります。
それでは、どうすれば家庭裁判所から正当な理由があると認めてもらえるのでしょうか?
0歳~4歳のお子様と4歳~18歳のお子様で正当な理由があると認めてもらうための改名手続きの進め方は次のようなものがあります。
0歳~4歳の改名方法
0歳から4歳までのお子様のお名前を変更で大きなポイントとしては、「通称名の資料が無くても許可がおりる可能性がある」ということです。
※通称名については「通称名とは?」をご参考下さい。
もちろん、通称名の資料がある場合、添付して申立して頂きたいですが、申立理由のみで変更許可がおりる場合もあります。
0歳から4歳までのお子様のお名前を変更する場合、主に出生時の経緯を理由に申立てしていくことで変更許可はおりやすくなるものと考えます。
赤ちゃんの改名で認められやすい理由には次のようなものがあります。
・出生届出の名前に誤りがあり、家庭裁判所に申立てをするまで日数があまり経過していない
・両親のどちらかの独断で出生届出が提出された
・子供の名前が相手の元恋人と同じ名前だった
・出生した当時、子供の名前が人名用漢字別表に掲載されていなかったため使用できなかったが、後日使用できるようになった
・近隣に同姓同名の子供が住んでいる
・名前が原因で夫婦仲が悪化している
・読みにくい名前(キラキラネーム等)をつけてしまい後悔している
・名前が原因で鬱状態になっている
上記のような理由をもとに申立てをしていきます。
4歳未満のお子様の改名手続きは「赤ちゃんの名前の変更方法を詳細解説」にて記載しておりますのでご参考下さい。
5歳~18歳の改名方法
5歳以上の子供が名前を変更するには、次のような理由を除いて、原則「通称名の資料が必要な場合が多い」です。※通称名については「通称名とは?」をご参考下さい。
上記のような理由でも内容によっては通称名の資料が必要になる場合もございます。
それぞれ上記の詳細については次の記事をご参考下さい。
「キラキラネームを改名するには?変更手続きを実例を含め解説」
「性同一性障害を理由に改名するには?」
「犯罪者や近隣者と同姓同名の場合の改名手続き」
大人が通称名を理由に下の名前を変更する場合、実績は5年以上必要になってくることが多いですが、18歳未満の子供が改名する場合、通称名の実績は3年ほどですむ場合が多いです。
そのため5歳以上の子供で名前が難読などでなく名前を変更したい場合は通称名の実績を積んでいくようにしましょう。通称名の実績の積み方は「通称名とは?通称の使える範囲や通名実績などの改名手続きを解説」や「学校で通称名を使用し始めるには?」をご参考下さい。
通称資料にはどのようなものがある?
子供が通称名を理由に名前の変更の場合、証拠資料の準備が、大人よりも難しい所があります。
それは、子供の代わりに親が手続きや名義人になってくるためです。
子供が通称名の証拠資料として次のようなものがあります。
・お手紙
・年賀状
・連絡帳
・通知表
・図書カード
・卒業証書
・賞状
・習い事をしている所の資料
・メール、SNS
通称名は無理せず使用できるところから使用していきましょう。
名の変更の判例
子供の通称名を理由とした判例には次のようなものがあります。
小学校以来高等学校に至るまでの通名の使用は、通名への変更につき「正当な事由」に該当する。
昭和35年6月27日/札幌高等裁判所/決定/昭和35年(ラ)46号
戸籍名は「春雄」であるのに3才のころから約12年間「芳隆」という通称を用いてきたときは、その通称が両親のいだいた迷信を動機として用いられるに至つたとか、本人が現在中学3年生の15才の少年であるとかの事実が認められるとしても、名を「芳隆」と変更するにつき「正当な事由」がある場合にあたる。
昭和36年3月6日/広島高等裁判所岡山支部/第2部/決定/昭和36年(ラ)2号
却下された場合
万が一申し立てが却下されてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?
方法としては次の方法があります。
・却下の判決をうけてから2週間以内に即時抗告の申立てをする方法
・通称名の実績を積み上げて再度申し立てる方法
詳細な内容については、「改名を取下げるべき?却下された場合は?」をご参考下さい。
改名許可後の手続き
無事に改名することができた後はどういった手続きをする必要があるのでしょうか?
一般的には次のような手続きをする必要があります。
1.戸籍謄本、住民票の変更
※住所が日本にない方は、改名許可後の戸籍の変更届を本籍地の役所へ提出することになります。
2.マイナンバーの変更
3.健康保険、年金の変更
4.パスポートの変更
5.印鑑登録の変更
6.運転免許証の変更
7.銀行等の口座名義の変更
8.クレジットカード等の名義変更
9.不動産登記の変更
10.生命保険、医療保険等の変更
11.車検証、自賠責保険等の変更
「改名許可後の手続きを詳細解説」にも記載しておりますので、ご参考下さい。
まとめ
子供の名前を変更する方法について0歳~18歳ごとにわけて説明させて頂きました。
0歳~4歳と5歳~18歳の改名では通称資料の必要性が大きく異なる点がポイントです。
この記事が名前の変更の申し立てをしようと思われている方の少しでも参考になれば幸いです。
ご自身で申し立てする際の具体的な申立理由の書き方はご依頼後のご案内となりますが、ご自身のお名前が改名ができるのかどうかの可能性など、弊所にご相談頂ければ無料でお答え致しますので、必要であればご相談下さい。