・1度戸籍上の名前を改名したが、もう一度改名したい
・改名申立が却下されたが、もう一度申請したい
・1度却下されたが、じっくりと対策を練りたい
このように、2回目、3回目の改名を考えられている方は、いらっしゃると思います。
それでは、2度目の改名申立は、1度目の改名申立と変わってくるのでしょうか?
また2度目の改名申立を認めてもらうには、どうすればいいのでしょうか?
※家庭裁判所での手続きの流れはこちらをご参照ください。
【完全版】苗字・名前の改名手続きの流れ|変更許可のポイントは?
目次
許可後の再申立
再申立の要件は厳しくなる
1度戸籍上の名前の改名を許可された方が、再度改名申立をする場合、1度目の改名より厳格に取り扱われる傾向にあります。
裁判所の書類にも次のように記載があります。
このように2度目以降の改名申立は、1度目より難しくなる可能性がありますのでご注意ください。
二度目の申立てを認めてもらうには?
1度戸籍上の名前を改名されると2度目の変更は厳しくなりますが、変更できないというわけではありません。
判例にも次のようなものがございます。
近所に同姓同名の者がいて、間違い電話や郵便物の誤配等の支障があったところから家裁の許可により改名した者が、再び元の名への変更を申し立てた事案において、勤務先においては継続して元の名を通称として使用していたという事情を認定した上で、戸籍法107条の2にいう「正当な事由」を具備しているものと認め、申立てを却下した原審判を取り消し、変更を許可した事例。
平成7年6月12日/大阪高等裁判所/決定/平成6年(ラ)275号
ですので二度目の申立でも、正当な事由があると認められれば変更は認められます。
また、一般的に2度目以降の改名申立の対策で多いのが、通称名の実績を積まれた後の申立だと思われます。
2度目以降の改名申立を検討されている方は、通称名の資料を保存していき、申立の準備を進めていきましょう。
通称名や申立理由については、こちらをご参考下さい。
通称名へ改名するには?実績資料など名前変更で大事なポイントを解説
改名理由を徹底解説!却下される理由、変更許可のポイントは?
却下後の再申立
再申立の要件は変わらない
改名申立について却下の審判が下された後に、再申立をしても1度目の申し立てより厳格になるという傾向はありません。
ただし、1度目の申し立てとあまり変わらない内容で申立をしたり、却下からあまり期間が経っていない状態で申立をすることは、認められない場合がございます。
改名の申立却下の審判が確定した場合にその確定した時期に近接し、または即時抗告期間中でいまだ申立却下の審判が確定しない間に、あるいはいまだ許可、却下いずれの審判もなされない間に、前の申立におけると同一の事由で、しかもその事由を立証するに足りる新たな証拠資料を補充することもなく、再度同一の申立をなすがごときことはいずれも申立権の濫用として許されない。
昭和41年2月23日/東京家庭裁判所/審判/昭和40年(家)10171号/昭和40年(家)12755号
また却下をされた申立の内容は、裁判所の記録に原則5年間記録に残ります。
そのため最初の申立理由と矛盾するような内容であったりすると、裁判官からその点を確認されたり、心証的に悪い影響を与える可能性がございます。
却下後の対策
却下された後に、再度改名の申立をするには、どのような対策があるのでしょうか?
方法としては、次のようなものがございます。
①住所を変更し、別の家庭裁判所へ申立をする
②通称の実績を積み、申立をする
③新たな理由、証拠等を踏まえて申立をする
①住所を変更し、別の家庭裁判所へ申立をする
同じ内容の氏・名前の変更の申立であっても、申立てをする家庭裁判所によっては、認められる家庭裁判所もあれば、認めれない家庭裁判所もあります。
担当をする裁判官、参与官を変えて、再度申立をすることも一つの方法です。
②通称の実績を積み、申立をする
却下された方は、基本的にはこの方法で申立をされることをお勧めします。
通称名については、こちらをご参考下さい。
通称名へ改名するには?実績資料など名前変更で大事なポイントを解説
③新たな理由、証拠等を踏まえて申立をする
例えば、在家出家で副業的に僧侶として活動をされていた方が、主な活動が僧侶としての活動となった場合や、性同一性障害と思われる方が最初の申立てでは性同一性障害であることの診断書を提出できなかった場合に、取下げ後診断書が取得できた場合など、新たな理由、証拠資料などができた場合は、それを理由に再度の申立をすることが可能です。
まとめ
お名前の改名を考えられている方が、こちらの記事を読まれて少しでも参考になったのでしたら幸いです。
2度目以降の改名申立を考えられている方で、改名についてお悩みの方は、氏名変更相談センターまでご相談下さい。