・かっこいいミドルネームが欲しい
・戸籍にミドルネームを追加したい
・今のミドルネームを無くしたい
外国人のようなかっこいいミドルネームをつけたいと思っている日本人は多くいらっしゃいます。
また戸籍上のミドルネームを変えたい、削除したいというご相談も多く頂きます。
それでは実際に戸籍の名前にミドルネームを追加したり、ミドルネームを変更、削除するにはどうすればいいのでしょうか?
この記事は「ミドルネームの意味や日本人が戸籍上ミドルネームを追加、変更、削除する方法」を掲載しております。
※該当される方は次の記事もご参考下さい。
「国際結婚した夫婦の苗字・名前を変更するには?」
「複合姓とは?複合姓のメリットや改名手続きを解説」
「帰化後に苗字を変更する方法」
「【完全版】苗字・名前の改名手続きの流れ」
目次
ミドルネームとは?
ミドルネームとは、「苗字(ラストネーム)と名前(ファーストネーム)の間にある名前のこと」を言います。
海外ではファーストネーム、ミドルネーム、ラストネームの順番で名前を表記し、ラストネームとは日本で言う苗字にあたり、ファーストネームとは日本で言う下の名前にあたります。
外国人のミドルネームの例
海外で有名な方のミドルネームを紹介します。下線部分がミドルネームになります。
・William Bradley Pitt(ウィリアム・ブラット・ピット)
・John Fitzgerald Kennedy(ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ)
・Arnold Alois Schwarzenegger(アーノルド・アロイス・シュワルツェネッガー)
日本人のミドルネームの例
日本で有名な方のミドルネームを紹介します。下線部分がミドルネームになります。
・中条・あやみ・ポーリン(中条 あやみさんの本名)
・レベッカ・英里・レイボーン(ベッキーさんの本名)
日本人にミドルネームをつけることはできるの?
日本人にミドルネームをつけることはできるのでしょうか?
日本の戸籍には、ミドルネームを登録する項目はないですが、名の欄に「ミドルネーム+名前」または「名前+ミドルネーム」で登録することで、戸籍上ミドルネームを加えることができます。
上の戸籍のように、ミドルネームを登録する項目はありませんので、ミドルネームを加える場合、【名】と書かれている項目に、ミドルネーム+名前で登録をします。
苗字にミドルネームを加える方法もありますが、苗字は戸籍にいる家族全員の共通の苗字になりますので、苗字にミドルネームを加えると家族全員が同じミドルネームを名乗る事になります。
そのため多くの方はミドルネームを下の名前に加えられています。
戸籍の見本については「戸籍の見本一覧」をご参考下さい。
どうすればミドルネームを加えられるの?
産まれたばかりの赤ちゃんであれば、出生届を提出する際に、ミドルネームも含めて名前を登録すれば、戸籍の名前にミドルネームを付けることができます。
そうでなく、すでに戸籍に名前が登録されている方がミドルネームを付けるには、家庭裁判所で「名の変更許可申立」を行い、変更が許可されることでミドルネームを加えることができます。戸籍に登録されているミドルネームを変更、削除するのも家庭裁判所での手続きとなります。
家庭裁判所での改名手続きの流れ(費用・書類・期間など)について詳細に知りたい方は、こちらの記事もご参考下さい。
【完全版】苗字・名前の改名手続きの流れ!変更許可のポイントは?
家庭裁判所での手続き
どこで手続きするの?
名前の変更申立を行う家庭裁判所は、住所地の家庭裁判所になります。
住所地の家庭裁判所を調べられる方は、「家庭裁判所管轄一覧」をご参考下さい。
手続きを行う人は?
家庭裁判所で名前の変更申立ができるのは、次の方です。
・名前を変更される方
※申立人が15歳未満のときは,親権者等の法定代理人が手続きをします。
なお、家庭裁判所で改名ができるのは、日本に国籍を有する方のみです。
外国籍の方が、名前を変える方法については、「日本に住む外国籍の方が名前を変更するには?」をご参考下さい。
費用・料金は?
1.収入印紙800円
2.郵便切手200円~1500円ほど
※家庭裁判所での実費です。交通費、郵送費、戸籍謄本代などは除いております。
郵便切手の金額は裁判所によって異なります。
郵便切手の金額を調べられたい方は、「【全国版】改名手続きでの郵便切手金額一覧」をご参考下さい。使用しなかった切手は、手続き後返却されます。
変更の要件は?
名の変更をするにあたって条文には次のような記載があります。
正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
戸籍法第107条の2
つまり名の変更をするには、家庭裁判所から正当な事由があると判断されなければなりません。
認められやすくなる理由
家庭裁判所から正当な事由があると認められやすくなる理由としては、次のような内容があります。
・海外で生活をしているか
・海外でミドルネームを使用しているか
・戸籍にミドルネームが無いことで支障を来すことがあるか
・日常生活において支障を来していることはあるか
・通称名の実績があるか など
・海外で生活しているか
・変更後のミドルネームが海外のミドルネームと同じか
・日常生活において支障を来していることはあるか
・通称名の実績があるか など
・ミドルネームを使用しない環境にいるか(日本など)
・ミドルネームがあることで日常生活に支障を来しているか
(外国人として不当な扱いを受けるなど)
・通称名の実績があるか など
全てに共通して言えるのが、通称名の実績があることで有利に働くという事です。
※通称名については「通称名とは?」をご参考下さい。
もちろん通称名の実績がなくとも変更できることが多いですが、通称名の実績があって不利に働くことはないので、すぐに名の変更許可申立をされない方は、変更までの間に通称名の実績を積まれることをお勧めします。
必要な書類は?
名前の変更申立時に家庭裁判所へ必要となる書類は次の通りです。
①申立書
こちらは家庭裁判所にあげられている申立書の記載例です。
申立書の1P目については、記載例に沿って記載して頂ければ作成できますが、2P目の申立理由については慎重に作成する必要があります。
②戸籍謄本
戸籍謄本については、発行から3か月以内のものを求められます。
また、本籍地が遠方の方は、戸籍謄本を郵送で取得することも可能です。
「○○役所 戸籍 郵送」とインターネットで検索して頂ければ、請求方法が出てきます。
③名の変更理由を裏付ける資料
名の変更申立をする養子に改名を必要とする資料などがある場合は、そのような資料を提出します。具体的には次のような資料があります。
通称名を使用されている場合
この場合の変更の理由を裏付ける資料としては、昔から今現在まで通称名を使用していたことが分かる書類のコピーを提出します。
・公共料金の明細
・年賀状
・手紙
・結婚式の招待状、席次表(座席表)
・注文書・納品書
・成績表
・卒業証書
・メール
・契約書
・名刺
・会社パンフレット
・新聞、地域紙(自分のことが掲載されているもの)
・健康保険証(会社が通称名で登録している場合)
友人・知人・会社関係・公共性の高いものを中心に、年代はまんべんなくご準備ください。
過去の判例
申し訳ございませんが、ミドルネームを理由とした公開されている過去の判例はございません。
今後、判例ができた場合、こちらに記載させて頂きます。
却下された場合
万が一申し立てが却下されてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?
方法としては次の方法があります。
・却下の判決をうけてから2週間以内に即時抗告の申立てをする方法
・通称名の実績を積み上げて再度申し立てる方法
詳細な内容については、こちらの記事をご覧ください。
改名を取下げるべき?却下された場合は?
改名許可後の手続き
無事に改名することができた後はどういった手続きをする必要があるのでしょうか?
一般的には次のような手続きをする必要があります。
1.戸籍謄本、住民票の変更
※住所が日本にない方は、改名許可後の戸籍の変更届を本籍地の役所へ提出することになります。
2.マイナンバーの変更
3.健康保険、年金の変更
4.パスポートの変更
5.印鑑登録の変更
6.運転免許証の変更
7.銀行等の口座名義の変更
8.クレジットカード等の名義変更
9.不動産登記の変更
10.生命保険、医療保険等の変更
11.車検証、自賠責保険等の変更
改名許可後の手続きについては、こちらで詳細に記載しておりますので、ご参考下さい。
改名許可後の手続きについて
まとめ
戸籍にミドルネームを加える方法や変更、削除する方法について記載させて頂きました。
戸籍上の名前にミドルネームを付けることは簡単ではありませんが、通称名の実績などを積んでいくことで改名することは可能です。
かっこいいミドルネームを付けたい、ミドルネームを変えたい、ミドルネームを消したいなど改名手続きについては氏名変更相談センターまでご相談下さい。