昨今、ChatGPTなどAIの技術が凄まじい勢いで成長しており、それと同時に周囲でAIを活用する人がとても増えてきたと思います。私自身も毎日ChatGPTを使用しており、質問に答えてくれるだけでなく、代わりに作業をしてくれるなどとても便利になったと思います。
それでは生成AIを使って、改名の申立に必要となる申立理由を作成することはできるのでしょうか?
生成AIが作成する申立理由のメリットデメリットも踏まえて、改名手続き専門の司法書士が解説させていただきます。
※次のような記事もございます。ご参考下さい。
「改名手続きに強い弁護士、司法書士はどこ?」
「改名手続きの費用は?弁護士、司法書士の費用を安くするには?」
目次
ChatGPT・AIで改名の申立理由は作成できる?

まずChatGPTなどの生成AIで申立理由を作成することは可能です。
ご自身の事情をAIに伝えるだけで、きれいな文章にしてくれますし、どのような理由を伝えればいいか自動で考えてくれます。
それでは実際にAIに作ってもらった申立理由はどういったものなのでしょうか?
次の文章はChatGPTで作ってもらった申立理由です。
(設定:GPT6.1sol 思考量マックス)
※下記の文章について弊所は添削や修正等をしていません。また許可のされやすさを保証した文章ではございません。
長文なので、この申立理由は読み飛ばしてもらって問題ありません。
【評価用・完全な架空事例】
人物、事件、経歴及び出来事はすべて創作です。申立人
夫:比良坂拓也(ひらさか たくや)
妻:比良坂真帆(ひらさか まほ)変更を希望する氏:水野(みずの)
妻の婚姻前の氏:水野設定:夫婦とも日本人で、同一戸籍に在籍し、子はいない。
申立ての理由
私たちは、令和2年に婚姻し、夫の氏である「比良坂」を夫婦の氏として生活してきました。婚姻当時は、この氏を使用することによる支障はありませんでした。しかし、その後に発生した事情により、現在の氏を使用し続けることが、夫婦双方の就労及び日常生活に著しい支障を生じさせています。
令和5年、夫の父が重大な犯罪で逮捕され、その後、有罪判決を受けました。事件は父の氏名とともに広く報道され、インターネット上には、夫がその実子であることや、夫婦の氏名、勤務先を特定する情報も掲載されました。
夫は事件以前から父とは別居し、生計も別にしていました。私たちは事件にも父の事業にも関与していませんでしたが、親族であることを理由とする非難や嫌がらせを受けるようになりました。
夫の勤務先には、夫の氏名を挙げて非難する電話やメールが繰り返し届き、業務への影響から、夫は顧客対応の担当を外れることになりました。その後、転職しましたが、新たな勤務先でも同様の問い合わせが生じました。令和8年7月にも、夫が取引先に「比良坂」と名乗った後、事件との関係を尋ねられ、その後、勤務先へ非難する連絡が届いています。
妻は個人で制作業務を行っていますが、業務上公表していた氏名から夫との関係を特定され、取引先へ事件について問い合わせが届きました。継続していた取引が中止され、新たな契約の予定も取り消されるなど、収入と事業の継続に直接的な影響が生じています。令和8年に入ってからも、取引の打合せで現在の氏を伝えたことをきっかけに、事件との関係について説明を求められました。
このように、支障は事件直後だけのものではなく、現在も、氏を名乗る必要のある場面で繰り返されています。私たちは、安心して就労し、通常の取引を行うために、その都度、関与していない事件について説明しなければならない状況にあります。
私たちは警察や相談窓口に相談し、勤務先とも対応を協議してきました。また、連絡先の変更、個人情報の削除依頼、転居なども行いました。しかし、事件の記事や夫婦の氏名に言及する投稿は残っており、住所や連絡先を変更しても、現在の氏から事件との関係を調べられる状況は解消していません。
妻は、支障を減らすため、令和7年から一部の業務で婚姻前の氏である「水野」を通称として使用しています。この氏で初めて接した取引先との間では、事件について問い合わせを受けずに業務を進められる場面が増えました。
一方、取引先の本人確認手続で戸籍上の氏名を示すよう求められた際には、通称との不一致について説明する必要が生じ、その後、事件との関係を尋ねられました。通称での対応には一定の効果があっても、戸籍上の氏を示す場面では、同じ支障が再び生じています。
夫についても、勤務先の規程に従い戸籍上の氏名を使用する場面があり、夫婦双方の生活を通称だけで安定させることは困難です。そのため、日常使用する氏と戸籍上の氏を統一する必要があります。
氏を変更しても、過去の記事や掲載情報が消えるわけではありません。しかし、今後初めて接する相手に現在の氏を伝えることが、事件との結び付けや非難のきっかけとなっているため、そのきっかけを減らすことは、就労と日常生活の再建に具体的な意味があります。
希望する「水野」は、妻が出生から婚姻まで使用していた氏であり、妻の親族や婚姻前からの知人にも定着しています。妻自身のこれまでの生活とのつながりを保ちながら、夫婦で共通の氏を使用して生活を立て直すことができます。夫婦双方が十分に話し合い、今後も婚姻関係を継続して、この氏を称することで意思が一致しています。
私たちの戸籍に在籍するのは夫婦だけです。変更後も、既存の契約、債務その他の法律関係を引き継ぎ、関係機関での名義変更や既存の取引先への必要な連絡を行います。
以上の事情から、現在の氏に伴って繰り返される嫌がらせ及び就労上の支障を軽減し、夫婦双方が安定した仕事と日常生活を取り戻すため、氏を「比良坂」から「水野」に変更する許可を求めます。
※繰り返しになりますが、上記の文章について弊所は添削や修正等をしていません。また許可のされやすさを保証した文章ではございません。
上記の内容を元に、ChatGPTなどの生成AIが作成した申立理由のメリットデメリットを解説させていただければと思います。※上記の申立理由は読まれなくとも問題ございません。
ChatGPT・AIで申立理由を作成するメリット

①伝えたい事情を読みやすい文章に整えられる
改名したいと思っても文章を書くことが苦手な場合、「内容がまとまらない」「何を書けばいいか分からない」「書いた文章が不安」と思うこともあると思います。
AIを利用する場合、自分で文章を考えなくても、AIに伝えた内容から、勝手に文章を作成してくれて、しかも読みやすい文章にしてくれます。
実際、どのAIを使うかにもよりますが、AIを使用して作られた小説が日経「星新一賞」という賞を受賞したり、AIを使用した論文が高い評価を受けるなど、文章の作成能力はとても高いです。
何を伝えたいかは決まっていても、文章にするところで手が止まっている方は、一度使ってみてもいいかもしれません。
②「正当な事由」があるように申立理由の構成を考えてくれる
生成AIはご自身の事情を説明するだけで、理由書を読みやすい文章にしてくれるだけでなく、幅広いネット上の情報を元に、伝えた内容から有利な事情を取り込んで、できる限り家庭裁判所での変更許可の要件である「やむを得ない事由」「正当な事由」があるように作成してくれます。
そのためGPTを使用した場合、何を伝えるべきか何を伝えないべきかを整理しやすくなるかもしれません。
ChatGPT・AIで申立理由を作成するデメリット

①主張すべき申立理由の方向性が間違えていることもある
実際に架空の人物設定でChatGPTに申立理由を作ってもらった私個人の感想ですが、家庭裁判所へ主張すべき内容が記載されているところもあれば、主張すべき方向性に疑問を感じる内容もありました。
(今回AIが作成した理由書ですと、他の理由が無ければ仕方がないのですが、身内が事件を犯したという趣旨の内容のみでは、氏の変更についてはかなりハードルが高いように考えます。)
これは、もちろんこちらの質問方法やAIのバージョンなどによって変わってくるのですが、私個人としては、1つの要因にネット上にある情報からしか答えが出せないからではないかと考えています。
AIが実際に家庭裁判所へ申し立てを行い、その結果のフィードバックを受けて学習していけば、より許可が得られるような申立理由が作成していけるのでしょうが、そのようなことは難しく、また改名した人も基本的には前向きな理由で改名する方は少ないことから、ネット上の改名に関する情報が今後どんどんアップデートされていく、という風には考えにくいため、AIの性能が上がっていっても、その元となる情報を得る手段のアップデートが無い限り、AIは間違った方向性で申立理由を作成していってしまう可能性は今後もあると思います。
②相談の延長線上の理由しか作れず、相談者が見落としているプラスアルファの理由を加えることが難しい
またAIが作ってくれた申立理由ですが、内容は伝わりやすいように整理してくれていますが、「この事情も聴きだして記載すべきでは?」というものがいくつかあります。
「漏れなく改名に繋がる理由を全て盛り込んだ申立理由を作成して」「不足している有利につながりそうな理由が欠けていたら、考えうる限り質問してみて」と追加で指示をしましたが、相談した内容と最初に作成した申立理由の延長線上の内容であったことから、こちらから具体的な指示をしなければ、余り内容は変わらないのかもしれません。
そのため、こちらも質問方法やAIのバージョンなどによって変わってくるのでしょうが、基本的にAIが作成する理由書は、こちらから相談した内容の延長線上の理由となり、そもそも相談者が見落としている有利になる理由にアプローチをかけてくれることは少ないように感じます。またそもそもネット上に無いプラスアルファの理由については、追加が難しいかもしれません。
AIが作った理由書で却下の件数が増えている?

私の感想ですが、生成AIの利用が拡大していくに伴って、AIを使用してご自身で申し立てを行い、却下になった後に弊所へ相談、というケースが増えたように思えます。
大変申し訳ございませんが、取り下げであっても、却下であっても申立理由の記録は裁判所へ残っていることから、弊所へご依頼いただけたとしても申立理由で主張できる幅は狭まってしまいますし、よほどの主張すべき理由が抜けていたなどで無ければ許可のハードルは高くなると思われます。
そのため、ChatGPTや生成AIはとても便利なので、考えの整理や情報収集などに使用されるのは良いかと思いますが、そのAIが答えてくれた内容が全て正しいと思わず、他の情報源等からも間違いが無いかをご自身で考えられるのが大事かと思います。
氏名変更相談センターができること

氏名変更相談センター(運営:司法書士事務所エベレスト大阪)に依頼するメリットとしては、次のようなものがあります。
①実績があるので最大限、改名許可の可能性を上げることができる
②費用がリーズナブル
③手続きの一部を代わりに行える
④責任をもって対応してくれる
①実績があるので最大限、改名許可の可能性を上げることができる
氏名変更相談センターは改名のご相談を年間1500件以上対応し毎年数多くの裁判業務を対応してきているため、どのようなことを家庭裁判所に伝えるべきかを理解しており、適切な申立理由を作成することができます。
またお客様からお伺いした内容から、有利に働く可能性があるプラスアルファの理由をこちらから確認させていただいております。
さらには面談の際には過去どのような質問があったなどをまとめた「面談のまとめ」をPDFでご案内していたり、裁判所からお客様へ質問があった際もどのように進めるべきか細やかに対応しております。
過去の実績は「お客様の声」をご参考下さい。
②費用がリーズナブル
改名業務に特化しているので一般的な弁護士、司法書士の費用と比べてリーズナブルな価格(着手金4万円、成功報酬7万円(税別))で対応しております。
③手続きの一部を代わりに行える
原則、本人の面談以外については氏名変更相談センターが対応できるので、ご本人の労力はかなり抑えられます。
④責任をもって対応してくれる
氏名変更相談センターの運営が司法書士事務所であり、責任を持って対応します。
また大阪、名古屋にも事務所があります。
まとめ
ChatGPTなど生成AIが作成する申立理由についてメリットデメリット等を含めて解説させていただきました。
名前(氏名)変更の裁判業務をどのように対応していくかの参考になれば幸いです。
また氏名変更相談センターに相談してみようと思っていただけたのでしたら、お気軽にご相談ください。
