好きな苗字に変更するには？戸籍の苗字を変える方法を解説

憧れの苗字や好きな苗字があった場合、その苗字に変えることは可能なのでしょうか？

この記事は「好きな苗字に変更する方法」について解説します。

※次のような記事もございます。該当される方はご参考下さい。
「苗字・名前の改名手続きを丁寧に解説」

好きな苗字に変更する方法は？

苗字を変更する方法には次のようなものがあります。

一番確実に苗字を変更できるのが、養子縁組や結婚という方法ですが、好きな苗字を名乗っている人自体がいないかもしれませんし、そのような人と養子縁組や結婚などをするのも難しいかもしれません。

それでは家庭裁判所での氏の変更許可申立とは、どのような手続きを行うのでしょうか？

家庭裁判所での苗字の変更手続き

家庭裁判所の手続きで苗字を変更していく場合、次のような流れとなります。

②市役所への変更届出は提出すれば問題なく変更されますが、①家庭裁判所の手続きは、申立をしても必ず氏の変更が認められるというわけではありません。

家庭裁判所での手続きを詳細に知りたい方は「苗字・名前の改名手続きの流れを丁寧に解説」をご参考下さい。

変更の条件は？

家庭裁判所での手続きで苗字を変更する場合、簡単に変更は認めてもらえるのでしょうか？

法律には次のようなものがあります。

つまり家庭裁判所からやむを得ない事由があると認められなければ、改名は却下されます。

それでは、裁判所からやむを得ない事由があると認められるためには、どうすればいいのでしょうか？

裁判所のＨＰでは「やむを得ない事由」とは「氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合」を言い「単なる個人的趣味，感情，信仰上の希望等のみでは足りない」としております。

また過去の判例では、次のような観点からも判断されています。

つまり、「やむを得ない事由」と認めてもらうには、①氏で社会生活において著しい支障を来している、②改名の動機が正当である、③改名の必要性が高い、④改名による社会的影響が小さい、を満たしていく必要になります。

上記の①～④を意識して改名するための理由を家庭裁判所へ伝えていく必要があります。
ただし上記の①～④全てを完璧に満たす必要はなく、裁判所は①～④や過去の判例を総合的に判断していきます。

具体的に認めてもらう方法は？

具体的に好きな苗字に変更していく一番の方法としては「通称名の実績」を積んで変更するのが良いかと思います。

通称名とは「戸籍上の名前でない世間一般において使用しており、通用している名前」のことをいいます。
例えば、戸籍上の苗字が「鈴木」であるにも関わらず、友人、会社、親族には「田中」と名乗り、その「田中」という姓のことを通称名といいます。

基本的に戸籍上の苗字を通称実績を理由に変更する場合、１０年以上の実績を求められることが多いです。

もちろん１０年より短い期間で認めてもらえることもありますが、それには、戸籍上の苗字がとても読みにくい場合や外国人と間違えられやすい苗字など、相当の理由が必要となります。

また広い範囲で通称名の使用が必要となるため、Amazonや楽天などのネットショッピングだけで使用していても、変更許可される可能性は低いです。

通称名の実績の積み方や証拠資料については「通称名とは？実績資料など大事なポイントを解説」もご参考下さい。

却下された場合

万が一申し立てが却下されてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか？
方法としては次の方法があります。

詳細な内容については、こちらの記事をご覧ください。
改名を取下げるべき？却下された場合は？

まとめ

好きな苗字へ変更する方法についてまとめさせていただきました。

家庭裁判所で苗字を変更するには高いハードルを越える必要があり、変更されたい方は、早いうちから通称名の実績を積まれるのが良いかもしれません。

通称名の実績がある方につきましては、弊所にご相談いただければ、現状、変更の可能性がどれほどあるかをお伝え出来ますので、必要であればご相談下さい。