「お墓を守る人がいなくなったのでお墓を引き継ぎたい」
「苗字の違うお墓を引き継ぎたい」
「祖父母から息子にお墓を引き継いで欲しいと言われている」
「お墓の苗字と同じ苗字に変更したい」
このようなご相談を弊所に頂く事がございます。
この記事ではお墓の苗字が違う人がそのお墓に入る具体的な方法を説明します。
目次
苗字が違う人がお墓に入る事はできるの?
法律上は苗字が違う方でもお墓に入る事、お墓の所有権を取得する事は問題ありません。
ただし、法律上、霊園や墓地の管理者は「正当な事由がなければ」拒否してはならないとありますが、霊園や墓地によっては改姓した方がお墓を継承するのを認めていない所もあります。
墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。
墓地、埋葬等に関する法律 第13条
お墓を継ぐために必要な手続き
そのため苗字が異なる人がお墓を継ぐには次のような準備が必要です。
①お墓の所有権を取得する
②霊園、墓地などの了承を得る
※結婚している場合、両家の了承を得ておくことでトラブルを未然に防げるかもしれません。
まずお墓を引き継ぐには祭祀財産の承継者としてお墓の所有権を取得する必要があります。また苗字が違う人は墓地の管理人などに確認し、承継することの了承を得る必要があります。
婚姻中の方は相手の家族とお墓のことを話しておくことで両家の墓のことでトラブルになることを防ぐことができます。
お墓を継ぐために苗字を変更するには?
法律上、お墓を継ぐ上で苗字が異なることは問題ありませんが、霊園、墓地との関係上、お墓と同じ苗字の人しか引き継げない場合どうすればいいのでしょうか?
お墓と同じ苗字の人しか引き継げない場合、「引き継ぐ方の苗字を変更するという方法」があります。
苗字を変更方法には次のようなものがあります。
①引き継ぎたい姓を名乗っている親族と養子縁組
…確実に苗字を変更できる
…養子が相続人となる
②家庭裁判所で「子の氏の変更許可申立」を行う
…③と比べると認められやすい
…手続きできる人が限られている
③家庭裁判所で「氏の変更許可申立」を行う
…戸籍の筆頭者であれば手続きができる
…変更するには「やむを得ない事由」が必要
※養親が亡くなり養子縁組前の苗字に戻されたい方は、「死後離縁の手続き」をご参考下さい。
一番確実に苗字を変更できるのが、養子縁組の方法ですが、養子は養親の相続人となるため注意が必要です。
家庭裁判所での改名手続きを行えば、相続人等の法律関係は変わりませんが、裁判所から変更を認めてもらう必要があります。
苗字を改名されたい方が、どの手続きを行えばいいか弊所なりにまとめました。
①養子縁組
・養子による親子関係が発生しても問題ない
・確実に苗字を変更したい
②子の氏の変更許可申立
・養子による親子関係は発生させたくない
・親が引き継ぎたい苗字を名乗っている
・子供が筆頭者となっている
③氏の変更許可申立
・①②に該当しないが、親の苗字を引き継ぎたい
養子縁組の手続きや家庭裁判所での詳しい手続きについては「母の旧姓に変更するには?苗字を親の旧姓に変える方法」をご参考下さい。
まとめ
以上、苗字が違う人がお墓を引き継いで行くための方法をまとめさせて頂きました。
母の旧姓、親の苗字を引き継いで行きたい方、手続きを専門家に依頼されたい方は、是非司法書士事務所エベレストまでご相談下さい。