令和元年11月5日から住民票やマイナンバーカードに旧姓を併記することができるようになりました。
結婚後も旧姓の証明が必要になる方は、旧姓併記の本人確認書類が１つあると何かと便利かもしれません。
それでは本人確認書類に旧姓を併記した場合いいことばかりでデメリットは無いのでしょうか？
この記事では「本人確認書類に旧姓を併記した場合のメリット・デメリット」を解説します。
次の記事も気になる方はご参考下さい。
「旧姓を併記できる本人確認書類は？書類の見本と手続きを解説」
「法律上、旧姓を使用できる範囲は？」
旧姓併記のメリット
本人確認に旧姓を併記した場合のメリットには次のようなものがあります。
・本人確認の手続きがスムーズになる
・旧姓で仕事ができる
・銀行口座などが旧姓でできる
・アイデンティティを保つことができる
それぞれ簡単に解説をします。
本人確認の手続きがスムーズになる
本人確認書類に旧姓を併記することで、旧姓名義で来た郵便物を受けとるなど、旧姓での本人確認がスムーズになります。本人確認書類が無ければ、その都度その都度、結婚して姓が変わったことの説明やその証明が必要になる事もあるので、そのような対応が書類1枚で済むのであれば便利になります。
旧姓で仕事ができる
旧姓でのキャリアがある方は、できれば結婚後も旧姓で仕事ができれば何かと便利です。
結婚後も職場で旧姓を引き続き使用している女性は多くいますが、旧姓併記された本人確認書類があるといざというときに、簡単に戸籍名と旧姓の証明ができるので便利です。また仕事の内容によって戸籍名を明かす必要がある場面でも、旧姓併記の本人確認書類があることで説明の負担が楽になる場合があります。
銀行口座などが旧姓でできる
上記の調査の通り銀行によっては、旧姓での新規口座開設や旧姓で口座利用を継続できる所があります。
そのため本人確認書類に旧姓併記をしておくことで旧姓口座の開設や旧姓名義の銀行での本人確認などがスムーズになる場合があります。
アイデンティティが保てる
よく結婚して苗字が変わった人に「苗字が変わってアイデンティティが無くなった様な気がする。」と言われる方もいます。
旧姓併記の本人確認書類があることで、旧姓を名乗る範囲が広まり、そのことで慣れ親しんだ旧姓を名乗る機会も増えることで、結婚した人のアイデンティティを保てる可能性があります。
旧姓併記のデメリット
旧姓併記のデメリットには次のようなものがあります。
・旧姓を併記する手続きが必要
・全ての手続きで旧姓を使用できるわけではない
・戸籍名と旧姓の使い分けが必要になってくる
・旧姓がばれてしまう
・住民票に旧姓併記した場合、マイナンバーカードや印鑑証明書などにも旧姓が必ず併記される
・パスポートに旧姓併記しても旧姓で航空券を取るのは困難
それぞれ簡単に解説をします。
旧姓を併記する手続きが必要
本人確認書類に旧姓を併記するには、各機関ごとに旧姓併記する手続きが必要になってきます。
手続きが必要になる分、その手続きの手間がデメリットとも言えます。
全ての手続きで旧姓が使用できるわけではない
本人確認書類に旧姓を併記しても全ての手続きが旧姓でできるという訳ではありません。
旧姓使用できる銀行もあれば旧姓使用できない銀行もあるように、クレジットカードや携帯会社など各機関ごとによって運用が異なるため、旧姓併記しても旧姓を使用できない場合があります。
戸籍名と旧姓の使い分けが必要になってくる
全ての手続きを旧姓ですることは難しいため、戸籍名を使用している所と旧姓を使用している所が出てくるため、どこでどちらの名前を使用していたか混乱する場合が出てくる可能性もあります。
旧姓がばれてしまう
本人確認書類の裏面にのみ旧姓が記載されるものであれば、旧姓の記載は目立ちませんが、表面の名前の箇所に旧姓がはっきり記載されると、旧姓併記された本人確認書類を見られることで旧姓が周りの人にばれてしまうこともあります。
できるだけ旧姓併記がばれたくない人は本人確認書類の裏面に旧姓を記載してもらった方がいいかもしれません。
住民票に旧姓併記した場合、マイナンバーカードや印鑑証明書などにも旧姓が必ず併記される
役所で住民票に旧姓を併記してもらうと住民票だけでなく、マイナンバーカードや印鑑証明書には必ず旧姓が記載されることになり、これを省略することはできません。
そのため印鑑証明書など他の書類に旧姓を併記して欲しくない人は、利用がためらわれるかもしれません。
どのような記載がされるかは「旧姓を併記できる本人確認書類は？書類の見本と手続きを解説」をご参考下さい。
パスポートに旧姓併記しても旧姓で航空券を取るのは困難
パスポートも旧姓併記をすることができますが、パスポートにあるICチップ及びMRZ（Machine Readable Zone）には旧姓は記録されません。渡航先国での入国審査では、パスポートのICチップ及びMRZに記録されている氏名で確認を取られます。また日本のJALやANAのＨＰでも旧姓併記されていても旧姓を除いた名前で航空券を取るように記載されています。このようなことからパスポートを旧姓併記しても航空券などは戸籍名で取得する方が無難です。
まとめ
旧姓併記についてメリット・デメリットをまとめてみました。
この記事が旧姓を併記される人の参考になれば幸いです。