国際結婚

・国際結婚したら戸籍はどうなるの?

・外国人配偶者の戸籍はできるの?

・子供が生まれたらどうなるの?

この記事では日本人と外国人が国際結婚した際の戸籍謄本を見本付きで解説しております。

これからご結婚される方や国際結婚後の戸籍の内容が気になる方はご参考下さい。

※次のような記事もございます。ご参考下さい。
婚姻届での外国籍配偶者の氏名の書き方を解説
国際結婚した夫婦の苗字・名前の変更方法を詳しく解説

国際結婚したら戸籍はどうなるの?

日本人と外国人が結婚した場合、日本人の方の新しい戸籍は作られますが、外国人の方に戸籍はできません。

戸籍は日本国籍の方にしかないものなので、外国人は帰化をされるなど日本国籍を取得しない限り戸籍はできません。

それでは日本国籍の方が国際結婚した場合、戸籍にはどのような内容が記載されるのでしょうか?

国際結婚後の戸籍謄本の見本(新戸籍)

外国人と結婚すると次のような戸籍ができます。
(①~④の番号は分かりやすい説明をするために弊所で記入した番号です。)

国際結婚 戸籍 全体像
国際結婚後の戸籍(見本)

結婚した際、戸籍にどのような内容が記載されるのかを①~④の番号順に解説します。

①本籍、氏名

戸籍① 本籍 氏名
戸籍(本籍、氏名)

本籍

この本籍は、婚姻届に記載された本籍地が記載されます

本籍、本籍地とは、簡単に言いますと「戸籍を置いている場所」のことを言います。
「住んでいる場所」を示す住所とは異なります。
本籍地と住所を一緒の場所にされている方もいますが、本籍は住んでいる場所である必要はなく日本国内の番地のある土地であれば、どこでも自由に決めることができます。

そのため皇居や甲子園球場など有名な場所を本籍地にされている方もいます。

氏名

この氏名には筆頭者の氏名が記載されます

筆頭者とは戸籍の最初に記載されている方のことを言います。
外国人配偶者が筆頭者になることはないので、この欄には日本人配偶者が記載されます。

日本人同士の結婚の場合、夫の苗字を名乗る場合は夫が筆頭者となり、妻の苗字を名乗る場合は妻が筆頭者となります。

②戸籍事項

戸籍② 戸籍事項
戸籍(戸籍事項)

結婚をすると戸籍事項という欄に【編製日】というものが記載されます。
この編製日とは、戸籍が作られた日のことを言います。
結婚した際の編成日は、「婚姻届に記載された本籍の役所に婚姻届が到着した日」となります

戸籍事項には、戸籍が作成された日や除籍された日などが記載されますが、その原因となる婚姻や離婚などは記載されません。
婚姻などの内容は後ほど説明をします身分事項という箇所に記載されます。

また結婚後、外国人配偶者の姓に変更した場合、戸籍事項に【氏の変更】の旨が記載され、【従前の記録】の箇所に婚姻前の苗字が記載されます。

③戸籍に記録されている者

戸籍に記録されている者
戸籍(戸籍に記録されている者)

この欄には戸籍に記録されている人の次の内容が記載されます。

記載される内容

【名】▲▲ ▲▲
【生年月日】昭和●年●●月●●日
【配偶者区分】夫 または 妻
【父】■■ ■■
【母】●● ●●
【続柄】長男、次女など

配偶者区分は、婚姻されている方にのみ記載されます。
あくまで日本国籍を有する人の内容が記載されますので、外国人配偶者のものは作られません。

④身分事項

戸籍④ 身分事項
戸籍(身分事項)

身分事項とは、その戸籍にいる人の様々な出来事が記載されます。

外国人と国際結婚した際、身分事項に記載される内容は、「日本の方式」で婚姻届を提出した場合と「外国の方式」で婚姻届を提出した場合とで記載内容が異なってきます。

日本の方式で婚姻届を提出した場合

日本の役所などで一般的な婚姻届を提出するなど日本の方式で婚姻した場合、日本人配偶者の戸籍には次のように記載されます。

戸籍⑤ 身分事項 国際結婚
身分事項(日本方式の婚姻届)
国際結婚後の戸籍の記載

  身分事項:婚姻
【婚姻日】令和●年●●月●●日
【配偶者氏名】▲▲▲
【配偶者の国籍】●●●国
【配偶者の生年月日】西暦●年●●月●●日
【従前戸籍】●●●●(本籍地)▲▲▲(筆頭者)

※本籍地と違う役所へ婚姻届を提出した場合、次のような文言も記載されます。
【送付を受けた日】令和●年●●月●●日
【受理者】■■市長、■■区長 など 

婚姻日は役所に婚姻届を提出された日となります

外国の方式で婚姻届を提出した場合

海外の役所など外国の方式で婚姻した場合、日本人配偶者の戸籍には次のように記載されます。

婚姻後戸籍 外国 配偶者
身分事項(外国方式の婚姻届)
国際結婚後の戸籍の記載

  身分事項:婚姻
【婚姻日】令和●年●●月●●日
【配偶者氏名】▲▲▲
【配偶者の国籍】●●
【配偶者の生年月日】 西暦●年●●月●●日
【婚姻の方式】 ▲▲▲ の方式
【証書提出日】令和●年●●月●●日
【従前戸籍】●●●●(本籍地)▲▲▲(筆頭者)

※本籍地と違う役所、領事館へ届出した場合、次のような文言も記載されます。
【送付を受けた日】令和●年●●月●●日
【受理者】■■市長、■■総領事 など

外国人配偶者の苗字に変更した場合

外国人との婚姻後、苗字を変更した場合、戸籍には次のような内容が記載されます。

戸籍⑥ 氏の変更
身分事項(氏の変更)
苗字変更後の戸籍の記載

身分事項:氏の変更
【氏変更日】令和●年●●月●●日
【氏変更の事由】戸籍法107条2項の届出

この「氏の変更」の記載は日本人同士の婚姻の場合は記載はされず、国際結婚特有の記載となります。

その他、次のような出来事があった場合、身分事項にはその事実が記載されます。

身分事項に記載される内容

出生、離婚、死亡、養子縁組、分籍、名の変更など

現在の戸籍の身分事項には今まで起こった全ての出来事が記載されているわけではなく、新しい戸籍ができた際、移記されない内容(離婚した事実など)もあります。

国際結婚後の戸籍謄本の見本(旧戸籍)

結婚され戸籍から出ていく場合、元いた戸籍には次のように記載されます。

海外戸籍 婚姻前
婚姻前の戸籍(身分事項)
婚姻前の戸籍の記載

  身分事項:婚姻
【婚姻日】令和●年●●月●●日
【配偶者氏名】▲▲▲
【配偶者の国籍】●●●国
【配偶者の生年月日】西暦●年●●月●●日
【新本籍】●●●●(本籍地)

※本籍地と違う役所へ届出した場合、次のような文言も記載されます。
【送付を受けた日】令和●年●●月●●日
【受理者】■■市長

また、結婚され戸籍から出ていくと元いた戸籍には、【戸籍に記録されている者】の欄に【除籍】と記載されます。

国際結婚後の子供の戸籍の見本

外国人との婚姻により生まれた日本の子供の戸籍は次のように記載されます。

子供 戸籍
国際結婚の子供の戸籍
外国人との子供の戸籍の記載

  身分事項:出生
【出生日】令和●年●●月●●日
【出生地】▲▲▲
【届出日】令和●年●●月●●日
【届出人】父 又は 母

※日本国籍以外の国籍を取得した場合、次のような文言も記載されます。
【国籍留保の届出日】令和●年●●月●●日

※本籍地と違う役所、領事館へ届出した場合、次のような文言も記載されます。
【送付を受けた日】令和●年●●月●●日
【受理者】■■市長、■■総領事

その他、外国人と婚姻した際の戸籍、国籍についてや、苗字の変更手続きについては「国際結婚した夫婦の苗字・名前を変更するには?」をご参考下さい。

その他の戸籍の見本

離婚や転籍など様々な手続きをした後の戸籍の見本をまとめた記事もございます。ご参考下さい。
戸籍謄本の見本一覧|結婚、離婚、死亡、養子など届出後の戸籍を解説

まとめ

国際結婚した後の戸籍について見本をつけて説明をさせて頂きました。

これから外国の方と婚姻される方の参考になれば幸いです。

ご覧頂きありがとうございました。


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